2014年12月26日金曜日

【レポート】第4回オープンデータ・カフェ@大阪 in このはな

オープンデータ・カフェ@大阪、第4回は此花区で開催いたしました。

オープンデータ・カフェ@大阪 in このはな
▼日時:2014年12月1日(月)
▼会場:ハードロックカフェ ユニバーサル・シティウォーク大阪

ハードロックカフェでのオープンデータ・カフェ。普段と違った雰囲気の会場に、22名の方々にお集まりいただきました。


会場の様子

今回のゲスト講師兼進行を務めた佐藤拓也氏

運営スタッフ藤本より、オープンデータについて説明

今回のテーマは「環境」。ゲストには岐阜県で自然環境を舞台に活動をしながら、シビックテックのエンジニアとして、CODE for GIFUを率いる國枝 裕介氏(NPO法人 森とIT 理事長)と、関西でITコミュニティやシビックテックの活動を展開する佐藤 拓也氏(Fandroid KANSAI 代表)からご講演いただきました。

講演:「田舎から始めるCivicTech」
講師:國枝 裕介氏(NPO法人 森とIT 理事長、CODE for GIFU リーダー)


國枝氏は、岐阜県大垣市でNPO法人「森とIT」を立ち上げ、森林資源とITを組み合わせることで中山間地域を活性化させる活動を展開。今回はそれらの取り組みから、以下のお話を伺いました。

1.聞き書き
聞き書きとは、話してくださる人生について、聞きながら書き起こしていく伝統技法で、話してくださる方の人生を通して、その時の森などの自然環境や生活環境、歴史などを記録していきます。
今回は、西美濃の聞き書き会などを取り上げもらい、お話をして頂きました。

聞き書きにより、文化の継承や歴史を伝えることが出来るので、これからも継続して開催していくとのことです。




2.まちあるきイベント開催
こちらは、ゲーム形式で行い、地元の町や自然などに触れ合ってもらおうという試みで実施されたイベントです。

内容としては、1時間の制限時間の中で、市内36箇所に設置した看板に書かれてあるクイズを解いてポイントを競っていくゲームイベントで、GPSを用いながら、大まかな看板の位置情報を表示し、クイズの難度や距離で得られるポイントに変わります。

このイベントで特に盛り上がった層は、父子連れなどで来られている30代〜40代のお父さんで、子供時代に行った地元の場所などを思い出しながら盛り上がり、家族で自然と触れ合い、自分たちの子供に昔遊んだ場所などを教えることで、家族とのコミュニケーションやその場所や思い出などを共有出来るため、大変好評だったようです。

この取組みは、参加者からも大変興味を持ってもらい、後の参加者の方々の感想で多く取り上げられていました。

使った看板。QRコードをスマホで読み取り、クイズを解いていく仕組み

3.「木材 × IT」による商品開発
「ことばつみき」という商品を紹介して頂きました。


ことばつみき 紹介動画

こちらの商品は、タブレットから出来てた問題に対して、ひらがなの入ったつみきを並べて回答するという子ども向けに作られた学習玩具です。

Ogaki Mini Maker Faire 2014」でも出展され、多くの子供達から人気を集めました。

今後はクラウドファンディングで出資を募るようです。

それ以外にも、全国初、河川環境保全・保護活動を応援するためだけのクラウドファウンディングをご紹介頂き、水環境の改善について取り組んでいる団体をご紹介頂きました。

この中で、大阪では、熊取川流域でゲンジボタルの復活と、生態系意地のために活動している「まちづくりネット熊取」を取り上げて貰いました。

今後、地域を活性化させていくために、いかに興味を持ってもらいながら継続して取り組んでいくことが大事とご指摘を頂きました。


講演:「5374.jp大阪市版と各地における 5374.jp活用事例のご紹介」
講師:佐藤 拓也氏(Fandroid KANSAI 代表、Code for IKOMA リーダー)



佐藤氏は、Fandroid KANSAIで、IT・防災・地域活性化をテーマに、東北と関西の地域をつなぐ活動をされています。

また、奈良県の生駒市でCode for IKOMAのリーダーも務めており、今回は、Code for IKOMAでも取り組まれている5374.jpの説明を各地の事例を踏まえた上で説明して頂きました。

5374.jpとは、どの種類のゴミがいつ収集されるのかわかるアプリです。

最初は、金沢市のCode for Kanazawaで作られ、各地にも地域ごとのカスタマイズされ広がっていきました。現在は、60都市で対応しています。



佐藤氏がリーダーをされているCode for IKOMAがある生駒市でも対応されており、大阪でも大阪市24区版があります。

※関連リンク
【大阪市24区版】5374.jp

今までは、1つのコンボボックスで地域を選択していましたが、大阪市24区版ではダブルコンボボックス採用しており、このシステムは好評で他の地域でも取り入れられているようです。
こうして地域ごとにカスタマイズされ、誰でも便利に使えるアプリを軸にしてつながりが広がってきています。

各地域で作られた5374.jpを、市民に使ってもらう工夫として、Code for Kanazawaではiphoneと同サイズのカードを配布しております。

Code for IKOMAでもポストカードとしてイベントのお土産などで配って、認知度を広げているようです。

また、使ってもらうために、天気予報とのマッシュアップ(埼玉県和光市 Code for Wako)や在日外国人のためにも言語対応した拡張版(神奈川県川崎市)などを、それぞれの地域で取り組んでいます。

佐藤氏のプレゼンからは、シビックテックで生まれたアプリは、作った先で、いかに使ってもらうかを考えることが大切であり、そのプロセスで、地域の課題を持っている方々が集まって、意見を出し合い、マッシュアップしていくことが大切であるとの示唆をいただきました。大阪市の5374.jpも、更に地域性に合わせた拡張が期待されます。


佐藤氏のプレゼン資料は、以下で公開されておりますので、ご参照ください。



参加者との意見交換の後に、此花区役所のこのはな魅力発信担当課長より、此花区で取り組まれている「楽しくファンキーゴミ拾い」を紹介いただきました。



トーク&コンサートと清掃美化のコラボ企画で、大阪できれいな海を取り戻す活動をされているグループ「大阪海さくら」さんと此花区地域女性団体協議会の協力により開催されたそうです。

川から海へ流れ着くゴミにより、海の生態系が壊されていることを挙げられ、そういったゴミが海に流れるのを防ぐための活動と、使う掃除用具なども質素な掃除用具でなくカラフルな掃除道具を使って、楽しみながら掃除活動をしよう!という取り組みです。

現在も「大阪海さくら」のメンバーの方を中心にして、ゴミ拾いの活動をされております。

※関連リンク
トーク&コンサートと清掃美化の初コラボ企画 「楽しくファンキーにごみ拾い!!」を開催します
第9回 ごみ拾い活動報告


此花区役所のこのはな魅力発信担当課長からは、淀川のゴミの問題の指摘もあり、上流域、中流域から流れてきたゴミが、川から海への生態系にも悪影響を与えているので、環境の維持するためにも、ゴミ拾いなどの継続的な取組みが必要だとのお話をいただきました。


参加者の方々には、今回の内容に熱心に耳を傾けていただきました。特に、國枝氏のゲーム要素のあるまちあるきイベントでの取組みについては、興味を持たれた取り組みとして、感想で多く取り上げられていました。

   


参加者の方々のご感想を一部ご紹介します。

・エンジニアの方
あまり環境を意識していなかったが、今後のために、綺麗なものを残していくにはどうしていくか?などを考えていかなければならないと思った。

・商店街連盟の事務局の方
団体が多すぎて、同じ日に同じようなイベントをしていることがよくある。それを共有することによって、お互いに分かり合って一緒にやっていける環境を作っていきたい。

・環境局広報担当の市職員
エコ関係を興味ある人は良いが、それ以外は食いつかない。今回、紹介頂いた取組みは、どれも参考になったが、特に楽しくファンキーにゴミ拾いという着眼点が面白く、違うフィールドの人を取り込むことをどう取り込んでいくか?が重要と感じた。


「環境」という広い切り口で、自然環境から日常生活での取り組みまで、幅広く議論を行った今回のオープンデータ・カフェ。地域で感じる課題から、シビックテックやオープンデータの取り組みを具体化させるステップとなりました。

此花のみなさま、ありがとうございました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム

pagetop